• 予防は禁煙以外に方法なし
  • 発症したら栄養補給で進行阻止

息切れ、せき、癌に気づいたらすぐに病院で検査を

世界で増えている病気として最近注目されているのが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)です。

これは「たばこ病」とも呼ばれるように、たばこの吸い過ぎが原因で起こる病気で、患者の90%以上が喫煙者です。そのため、喫煙率の高い日本では、今後も増え続けるだろうと予想されています。

初期の症状は、階段を上ると息切れする、疲れやすい、かぜをひいていないのにせきや痕が出るといったものです。

若いときから喫煙していても、症状が出はじめるのが40歳くらいからなので、「年をとったせい」と思い込んでいて、症状に気がつかないことがほとんどです。

そのうち、歩く、服を着替えるといったちょっとした動作でも息が切れるようになります。症状が進むと、在宅で酸素吸入を行うこともあります。

外出時にも携帯の酸素ボンベを抱えて移動することになり、日常生活が不便になります。さらに、かぜやインフルエンザにかかると急性肺炎を起こしやすくなり、高齢では死にいたることもあります。

発症の原因は、喫煙の害などで肺を構成する肺胞が次々に破壊され、酸素交換をする面積が少なくなることです。

そのため、息切れが起こりやすくなり、体はつねに酸素不足におちいり、エネルギー産生が非常に悪くなるので、やせてきます。

また、免疫力も落ちて、かぜなどの感染症にかかりやすくなります。一度破壊されてしまった肺胞は、治療で元に戻すことはできません。

つまり発症したら治すことができない病気です。1日に吸ったたばこの本数と、吸い続けた年数が長いほど早く発症し、同じ喫煙数であれば、より女性のほうが発症しやすいというデータもあります。

まずは禁煙を実行。食事で免疫力も高めよう

COPD(慢性閉塞性肺疾患)を防ぐには、たばこを吸わないこと、吸っている人はすぐにやめることが最良の予防法になります。

すでに吸い続けてきた人は、自覚症状がないかどうか注意し、少しでも思いあたる節があれば、病院で検査を受けましょう。

自覚症状がなくても、喫煙者は定期的に呼吸機能検査を受けることが必要です。発症していることがわかっても、完治のための治療法はありませんが、早い時期なら、病気の進行をくいとめることができます。

なお、たばこを吸っていなくても、長い間、大気汚染にさらされたり、職業上、粉塵や化学物質を吸入する環境にある人は、発症する可能性があります。定期的に検査を受けておきましょう。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症すると、酸素不足のために、やせてきます。すると、慢性的なだるさや疲れに悩まされるようになるので、栄養補給をしっかりと行います。

魚介、赤身の肉、大豆・大豆製品、卵などから良質のたんぱく質をとるのと同時に、たんぱ
く質が体内で有効活用されるため、野菜やフルーツからビタミンやミネラルを摂取します。

いも、きのこ、海藻なども加えて、いろいろな食品をまんべんなくとるよう意識します。

また、ビタミンA・C・Eやポリフェノールから抗酸化成分を摂取して、喫煙による活性酸素の害を減らすことも、病気の進行をくいとめるために大切です。

食事で免疫力を高めるのと同時に、かぜやインフルエンザなどに感染しないよう注意し、インフルエンザの予防接種も受けましょう。

予防接種で、COPD(慢性閉塞性肺疾患)のインフルエンザによる死亡率が50%低下したというデータがあります。

【COPD(慢性閉塞性肺疾患)の危険度チェック】

●かぜでもないのに、せき、または痰が出る。

●喫煙習慣がある。または、以前たばこを吸っていた。

●息切れ、息苦しさが起こることがある。

●食事量、運動量は変わらないのに、急にやせてきた。

あてはまる項目が1つ以上あれば、COPDの危険があります。
いちばんの予防は禁煙です。