• 年齢とともに気になる頭の病気は脳を元気づける成分で予防

血管性認知症は生活習慣病が発症の引き金に

もの忘れは、加齢とともに起きる自然な老化現象です。誰でも40歳ぐらいになると、「財布をどこに置いたか忘れてしまった」という経験をするものです。

これは脳の老化の始まりですが、「もの忘れが多くなった」という自覚症状があれば、正常な状態です。

この場合は、日常生活を普通に送れます。しかし、財布を置き忘れたこと自体を忘れてしまうようになると、認知症が進んでいるサインです。

やがて、忘れるだけでなく、「財布を盗まれた」という妄想が起こったり、日時や自分のいる場所がわからなくなったりします。

さらに症状が進むと、人格障害が起こることもあり、最後は社会的な生活を送ることができなくなっていきます。

認知症には、アルツハイマー型認知症と血管性認知症とがあります。現在では、アルツハイマー型認知症が全体の6割を占めるといわれていますが、発症の原因はまだよくわかっていません。

血管性認知症のほうは、脳の血管に小さいつまりや出血が起こり、その部分の血行が途絶えることによって発症します。

こうした脳の軽度の梗塞や出血の原因は、動脈硬化などの生活習慣病なので、予防が可能です。

そのほかに、ビタミンB1不足で、認知症のような症状が起きることがあります。

ビタミンB1は体内で糖を代謝し、エネルギーに換える働きを支えているので、ビタミンB1が不足すると疲れやすくなって、全身がだるくなります。同時に、脳のエネルギーも不足するので、もの忘れなどの症状が起こることがあります。

食事でビタミンB1を補っても、もの忘れの症状が改善しないときは、認知症を疑って病院で検査を受けましょう。認知症の治療には、早期発見が非常に大切です。

多様なビタミンやポリフェノールで脳を活性化

認知症の予防には、脳を活性化させることが必要です。そのために、有効とされる成分がホスファチジルセリンです。

これは、脳の神経細胞を包む膜の成分のひとつで、神経細胞を活性化させ、情報伝達をすみやかに行うために働いています。

ホスファチジルセリンは、卵黄、大豆・大豆製品に多く含まれています。納豆に卵黄といった組み合わせでとると効率的です。

脳の機能を活性化する成分としては、イチョウ葉エキスに含まれるギンコライド、青背負に含まれるDHA・EPAなども有効です。

イチョウ菓エキスはお茶でとり、青背魚はさば、あじ、さんまなど旬の魚でとるといいでしょう。

そのほかに、脳の唯一のエネルギーとなるブドウ糖をすばやく供給するはちみつ、体内での糖代謝に欠かせないビタミンB1を供給する豚肉、エネルギー産生に欠かせない酢酸を供給する黒酢なども、脳の活性化のためにおすすめの食品です。

加えて、高血圧、糖尿病、脂質異骨症といった生活習慣病を引き起こす原因となる、活性酸素の除去も必要です。

にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜からβカロテンを、キングサーモンやかぼちゃ、アーモンドなどからビタミンEを、いろいろな野菜やフルーツから多様なポリフェノールをとりましょう。

また、生活習慣病の予防のためには、肥満を予防・改善することも重要です。

食生活以外では、体内に酸素を取り込むウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。大いに笑う、好きな趣味のレベルアップを目指すといったことで、脳を適度に刺激するのもいいでしょう。

【認知症のおもな初期症状】
●同じことをいったり、たずねたりする。

●人や物の名前が出てこない。

●物の置き忘れ、しまい忘れが多くなる。

●「物をとられた」など、被害妄想的なことを口にする。

●時間や場所がわからないことがある。

●怒りっぽくなる。