• 栄養バランスがとても大事
  • 血糖値を下げる食品も活用しよう

ほうっておくと怖い合併症が進む

人が生きていくためには、活動のエネルギーが欠かせません。その中心になるのは、食事から摂取した炭水化物(糖質)が代謝してできるブドウ糖です。

ブドウ糖は血液にのって全身をめぐっており、すい臓から分泌されるホルモン、インスリンの働きによって各組織・細胞に取り込まれ、そこで活動エネルギーに換わります(=糖代謝)。

健康な状態では、この糖代謝がスムーズに進むため、血糖値は、食後の一時的な上昇を除いて、90~110mg/dlほどに保たれています。

しかし、インスリンの分泌量が低下したり、働きが悪くなると、ブドウ糖が細胞にうまく取り込めず、血液中にブドウ糖が増えすぎた〝血糖値が高い″状態が続きます。

血糖値は血液検査でわかり、空腹時血糖値が110~126mg/dl未満では境界型(糖尿病予備群)、126mg/dl以上では糖尿病です。

また、空腹時血糖値が正常でも、食後血糖値が200mg/dl以上あると、糖尿病と診断されます。

血糖値が高い状態が続くと、全身の血管や神経に負担がかかり、さまざまな合併症を引き起こします。

糖尿病の3大合併症は、神経障害、網膜症(失明の危険も)、腎症(血液透析が必要になることも)です。

動脈硬化も進行することから、心筋梗塞、脳梗塞、足の壊疽などのリスクも高まります。
このように、血糖値が高いと怖い病気につながりますが、自覚症状はほとんどありません。

糖尿病のおもな症状は、のどが渇く、尿量が多い、手足のしびれ、日のかすみなど。

しかし、こういう症状は病気がかなり進行し、合併症が起こっているサインです。それを未然に防ぐには、血糖値を下げるケア(=血糖コントロール)がとても重要です。

食物繊維と抗酸化成分が血糖値を下げ、合併症を予防

日本人の糖尿病の95%以上は、生活習慣や遺伝・環境的な要因によって発症する2型糖尿病です。

なかでも生活習慣との関わりが深く、過食・偏食、運動不足、肥満、ストレスなどの害がからみ合って発症します。

そのため、血糖コントロールでは、これらの悪い生活習慣の改善が必要です。とくに食事と運動がポイントになり、食べすぎをやめて摂取エネルギーを減らし、ウオーキングなど軽めの運動で消費エネルギーを増やすと、血糖値は下がってきます。

食事の改善では、栄養バランスをよくすることも大事です。糖尿病の食事療法として炭水化物を極端にひかえる方法も提案されていますが、一時的に血糖値が下がったとしても、生涯の健康は保てません。

栄養バランスをとるなかで、血糖値を下げる食品も活用しましょう。糖吸収を遅らせる食物繊維が多い野菜、きのこ、海藻は、十分にとりたい食品です。

また、合併症の予防には、ポリフェノール、βカロテン、ビタミンC・ビタミンEなど抗酸化成分を多く含む食品が有効です。

食物繊維と抗酸化成分の両方が多い食品は、かぼちゃ、にんじん、ゴーヤー、さつまいも、りんごなど。

また、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸には、インスリンの分泌を促す作用があり、この成分はキャベツ、なす、コーヒーなどに多く含まれます。

加えて、シナモンにもインスリン分泌を促す成分が含まれます。血糖値を下げる作用を持つお茶も多く、グアバ茶、ギムネマ茶、桑の葉菜、パナパ菜、ヤーコン茶などが代表的なもの。好みのお茶を食生活に取り入れるといいでしょう。

■栄養バランスのとり方

血糖コントロールのためには、各種の栄養素をバランスよくとることが大事です。

●炭水化物(糖質) 50~60%

●たんばく質 15~20%

●脂質 20~25%

●ビタミン
●ミネラル
ビタミン、ミネラルは不足しやすいので、野菜、海藻、きのこ類をきちんととって補給しましょう。