- 痩せも病気の原因。
- 3大栄養素に加え、ビタミンをしっかり補給して改善を!
女性はダイエットのしすぎで無用経になること
”痩せ”とは、標準体重より体重が少なく、体脂肪が少なすぎる状態です。BMI(体格指数)でみると、値が18.5未満であれば、痩せと判定されます。
痩せは、肥満のようにメタポリック・シンドロームや心筋梗塞、脳梗塞といった重大な病気に直結することは少ないので、軽度の痩せであれば、健康上の問題はほとんどありません。
しかし、痩せの状態がひどいと、体力が続かないために疲れやすくなります。また、エネルギー不足が続いて全身の栄養状態が悪くなると、筋肉や骨が弱くなり、内臓機能の低下などの問題が出てきます。
さらに、体脂肪が少なすぎると、体脂肪の細胞から分泌されるアディポネクチンなどのホルモン量も減ってしまうため、痩せていても高血糖、高血圧、脂質異常などの症状が現れ、動脈硬化に移行することもあります。
女性の場合は、脂肪組織から分泌される女性ホルモンの量が少なくなるので、月経がなくなることもあります。
最近は、極端なダイエットで体脂肪を減らしすぎたため、無月経になる女性が増えています。
月経が止まるほど減量しないことはもちろんですが、止まってしまったら放置せず、早期に婦人科に受診し、食生活の改善で体脂肪を増やしましょう。
ダイエットをしなくても、もともと痩せているという人は、体質的に食べる量が少ないか、消化・吸収する力が弱いと考えられます。
また、野菜嫌いで、肉やごはん類ばかり食べている人は、3大栄養素のたんぱく質、糖質、脂質は十分とれていますが、ビタミンやミネラルが不足しています。
そのため、3大栄養素を代謝するための酵素が足りなくなり、栄養を吸収できずに痩せていることがあります。
栄養価の高いものを中心に野菜などをバランスよくとる
痩せを改善するには、まず、エネルギーになる糖質、脂質、たんぱく質をきちんととることです。
糖質、脂質、たんぱく質は十分とっているのに、痩せているという人は、野菜やきのこ、いも類、海藻などを積極的にとり、ビタミンやミネラルをバランスよく補給するようにします。
なかでも、ビタミンB1とB2が大切です。B1は糖質の代謝に働き、B2は3大栄養素すべての代謝に関わります。
3大栄養素をきちんととっても、それを活用する代謝酵素がないと、痩せが改善されにくく、活動エネルギーも十分に供給されにくいので、注意しましょう。
B1が多いのは豚肉、玄米など、B2が多いのはさば、さんま、まこがれい、レバー、納豆、牛乳などです。
ちなみに、ダイエットをしていないのに、痩せてきたときは注意が必要です。
その原因のひとつは、過剰なストレスで、副腎髄質からアドレナリンが、甲状腺から甲状腺ホルモンが分泌され続けるため、代謝が異常に活発になり、痩せてきます。
食べているのに急激に痩せたときは、甲状腺機能先進症や糖尿病、ガンの可能性があります。
甲状腺ホルモンが過剰になると、代謝が活発になるので脈が速くなり、汗をかきやすくなったり、食欲が旺盛になったりします。
血液検査ですぐに診断できるので、病院に行きましょう。症状が進むと、動悸が強くなって心臓に負担がかかり、突然死する可能性もあるので放置してはいけません。
糖尿病では、痩せに加え、だるさ、のどの渇き、尿量の増加などの症状も現れます。症状が出たころには病状が進んでいるので、検診を欠かさないようにします。
十分食べても痩せたままの人は、ビタミンB1、B2もしっかりとろう