牛乳の概要
牛乳は乳牛(殆どがホルスタイン種)から絞った乳を加熱殺菌したものです。世界的には乳(ミルク)と言うと、牛だけでなくヤギや羊、ヤクなどもありますが日本で飲料する乳は殆どが牛です。
牛乳は卵と並んで栄養価の高い食品な上、加工のしやすさからチーズ、ヨーグルト、バターをはじめ、アイスクリームやお菓子の原料や材料となっています。
牛乳の栄養成分と効果・効能
牛乳は、その87・4%強が水分ですが、もっとも利用率の高いカルシウムと、アミノ酸の組成が優れている良質のたんぱく質、消化のよい乳化脂肪、ビタミン類ではビタミンB2が、そしてミネラルはカルシウムの他にリンが多く含まれています。鉄はわずかです。
牛乳は各栄養素をバランスよく含む栄養食品ですが、唯一、ビタミンCが含まれていません。
最大の特性は、カルシウム含有量が100gあたり100mgと群を抜いた量の優秀さです。成人の1日のカルシウム所要量は600mgですから、牛乳コップ1杯(200cc)で220mgを吸収でき、1日の所要量の1/3以上の量が簡単にとれるわけです。
カルシウムは丈夫な骨を育てる栄養素ですが、骨の組織では、骨を溶かす「破骨細胞」と、骨をつくる「骨芽細胞」との働きで、毎日少しずつ入れかわって、丈夫な骨を保っています。
そのため毎日、体内にたっぷりカルシウムをとり入れる必要があるのです。
もし、カルシウムが足りなくなると、不足分を骨から調達するため、骨がスカスカになる骨粗鬆症を引き起こしかねません。
また、カルシウム不足は、高血圧や動脈硬化を招く原因にもなります。
ところで、カルシウムは吸収されにくいともいわれていますが、牛乳の場合は、カルシウムの吸収率を上げるたんぱく質・乳糖が豊富に含まれているので効率よく吸収されます。
もう一つ大切なことがあります。丈夫な骨をつくるには適度な運動が必要です。運動により、骨への刺激が加わり、骨の血流がまし、骨芽細胞の働きが活発になるなど、骨の形成に好影響を与えるからです。
そして、カルシウムの吸収率を更に高めるため、牛乳と共にビタミンD(青魚・しらす干し・きのこ類)の摂取を心がけてください。
牛乳に期待される効果・効能
骨の強化
歯の強化
貧血
精神安定
便秘
整腸作用
動脈硬化
牛乳に含まれる主な栄養成分
ビタミンA 39ug
ビタミンB2 0.15mg
カルシウム 110mg
リン 93mg
カロリー 100gあたり66kcal
※牛乳100g含有中
牛乳の選び方と保存方法
牛乳を選ぶ時は表示の日付を確認します。保存は冷蔵庫で保存してください。開封後はなるべく早く、2~3日以内には飲みきるようにします。
牛乳の調理のポイント
牛乳は沸騰させ続けると分離します。穏やかな火加減で調理するのがポイントです。
体質的に牛乳に弱くおなかがゴロゴロなる、下痢をしたりする人がいます。少しずつなれていくことも可能ですが、牛乳と同じ効果のあるヨーグルトをおすすめします。
牛乳と組み合わせると効果的な成分
体内でカルシウムの動きを調節している成分・マグネシウムが不足すると、カルシウムは正しく働くことができません。カルシウムとマグネシウムの摂取バランスは、カルシウム2対マグネシウム1が目安です。
牛乳のカルシウムだけでなく、マグネシウムへの関心ももってください。マグネシウムは、種実類・大豆・大豆加工品・ひじき・ほうれん草・かつおなどに含まれています。
ストレスの多い人・足がつる人・加工食品や清涼飲料水を多くとる人は留意してください。