• 食生活の欧米化にともなって急増
  • 魚介と野菜中心の食事で予防を

大腸の免疫異常に関係が。ガンの誘因にもなる

初期の自覚症状が、過敏性腸症候群に似ている病気に潰瘍性大腸炎があります。

過敏性腸症候群と同様に便秘と下痢を繰り返したり、腹痛が起こったりしますが、潰瘍性大腸炎では、それに加えて、血便や、粘液と血液が混ざった粘血便が出るのが特徴です。

完治が難しい病気のため、厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されています。このような症状がある場合は、早期に医療機関で検査・診断を受けてください。

潰瘍性大腸炎は、もともとは欧米に多い病気でしたが、1980年代頃から日本でも急増しています。

患者には若い人が多く、20代で発症する人が多数を占めます。しかし近年は、高齢になってから発病する人も増えてきています。

原因は特定されていませんが、大腸の免疫異常が深く関わっていると考えられています。この免疫異常をもたらす要因としては、食生活の欧米化とストレスが指摘されています。

また、遺伝的要因も関係するとされますが、欧米型の食事とストレスの要因が重ならない場合は、発症率は低めです。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性の炎症が生じ、粘膜にただれや潰瘍ができることで発症します。

症状は血便や粘血便の下痢から始まることが多く、症状が進むと、粘血便のひどい下痢が続くようになり、微熱、全身のだるさ、食欲不振なども現れます。

合併症として、口内炎、皮膚病などが起こることもあります。症状が緩和されて治ったようにみえても、数か月から数年で再発することが多く、完治が難しいのが現状です。

大腸の粘膜に炎症が繰り返されるため、細胞の突然変異が起きやすく、大腸ガンのリスクも高まってきます。

腸を刺激する香辛料やカフェインもほとほとに

潰瘍性大腸炎の治療は、服薬、食事療法、ストレスの緩和が中心となります。しかし、完治が難しい病気のため、予防するのがいちばんです。

予防では、食生活の改善が最も大事です。毎日、肉や揚げ物をたくさん食べている場合は、それを意識的に減らし、魚介と野菜を中心とする食事に変えていきましょう。

食物繊維が豊富なきのこ、海藻も、腸での便の通過をスムーズにするので、予防効果があります。

また、腸を刺激する辛い香辛料はひかえめにし、お酒、コーヒー、緑茶は適量を心がけます。乳製品をとったあと、下痢やおなかのバリがみられる人は、乳製品はひかえるようにします。

ストレスは小出しに発散して、ためないようにします。疲れているときは休養をとり、趣味で気分転換するなど楽しい時間を持ちましょう。

発症した場合も、医療機関での治療を続けながら、食生活の改善とストレス軽減に取り組むことで、通常の日常生活を送れます。また、合併症や大腸ガンの発症も予防できます。

症状がおさまっているときは、予防のための食事とほぼ同じでいいですが、食物繊維は腸に負担をかけることもあるため、とりすぎないよう注意します。

下痢などの症状があるときは、おかゆ、スープ、うす味の煮物など、やわらかく消化のよい食事に切り替えます。

青背魚のEPA・DHAには大腸粘膜の炎症を緩和する作用があるので、煮魚などで食べるといいでしょう。

野菜は、抗酸化作用が高い緑黄色野菜をやわらかく料理するといいです。ミネストローネ、にんじんのポタージュなどが炎症をやわらげてくれます。

【潰瘍性大腸炎を予防する食生活】

●肉や揚げ物を減らす

●魚介と野菜を食事の中心に

●食物繊維をとる

●刺激物をとりすぎない

●お酒やカフェインが入った飲み物は適量を

●乳製品が体に合わない場合はひかえる