• 自覚症状が出にくい怖い病気
  • 適量のたんぱく質と減塩で紡ごう

血尿やたんぱく尿が続くが自分では気づきにくい

腎臓は背中側の腰の位置に、背骨をはさんで左右に1個ずつある臓器です。腎臓のおもな働きは、血液中の老廃物をろ過して尿を作ることで、腎臓表面に近い糸球体で行われます。

この糸球体に炎症が起こる病気が腎炎です。

腎炎は、急性腎炎、慢性腎炎、ネフローゼ症候群の3つに大きく分かれます。

そのうち、急性腎炎はかぜなどの感染症にかかったとき、体内に侵入した細菌やウイルスなどによって糸球体に炎症が起きます。

子どもに多い病気で、症状がはっきり出るため(かぜの諸症状のあと、むくみ、血尿、高血圧になる)発見も早く、安静にして食事療法と薬物治療を行うと、ほとんどが完治します。

一方、大人に多い病気である慢性腎炎、大人にも子どもにも多いネフローゼ症候群は、目立った症状が出にくいため発見が遅れがちになり、完治が難しいケースもあります。

そのため、予防と早期発見が欠かせません。

慢性腎炎(正式名は慢性糸球体腎炎)は、血尿やたんぱく尿が1年以上続く病気です。進行すると、まぶたなどのむくみ、疲労感、全身のだるさ、食欲不振、吐き気などが現れます。

しかし、血尿とたんぱく尿が出はじめても、発病初期には肉眼では気づかない程度のものが多いので、尿検査などで発見される場合がほとんどです。

定期的に健康診断を受けていない人は、何年も発症が見逃されることが少なくありません。

慢性腎炎のおもな原因のひとつは、免疫反応の異常から起こる物質献(免疫グロブリンA)が血液中に増加し、それが糸球体に沈着することで起こります(IgA腎症)。

なお、なぜこの免疫異常が発生するかについては、まだ明らかにされていません。

ほかに、糖尿病の合併症である糖尿病腎症も増えており、原因が特定できない急性腎炎の慢性化から発症するケースもあります。

ともに症状は同じで、専門家のもとでの食事療法や生活習慣の改善が必要になります。ほうっておくと腎不全となり、血液透析が必要になることもあるので、絶対に放置してはいけません。

体を冷やさず、ゆっくり休むのも腎臓病予防のベースに

予防には腎臓に負担をかけない食事を心がけます。腎臓に負担をかけるのは、たんぱく質と塩分のとりすぎです。

しかし、たんぱく質は少なすぎてもよくありません。たんぱく質の1日の摂取量は、体重×1gが適量です。

これを食品に置き換えると、成人の1食の目安は以下のようになります。

【慢性腎炎の予防のための1食分のたんぱく源の目安】

たんぱく質は体を構成する主成分で、主菜の材料になります。近年、日本人はたんぱく質をとりすぎる傾向にあるので、過剰摂取に注意しましょう。

同じ食品を食べ続けないで、魚→肉→大豆製品→卵というように、食事ごとにたんぱく源を替えていくと、栄養バランスがととのいます。

魚:申くらいの大きさを1尾
肉:赤身を中心に
卵:1個

※胃炎を発症している場合は、たんぱく質を制限する食事療法が必要になる場合があります。主治医や管理栄養士の指示に従ってください。

塩分は、今の日本の食生活では少なすぎることはないので、意識して減らしましょう。塩分をとりすぎていると、腎臓病だけでなく、高血圧やメタポリック・シンドロームの原因にもなります。

免疫力を高めるため、活性酸素を減らしてくれる抗酸化成分の多い緑黄色野菜やフルーツも十分にとります。

逆に、活性酸素を増やす原因となるお酒は適量にとどめ、たばこは禁煙がいちばんです。

また、体を冷やすと腎臓への血液循環が悪くなり、腎機能の低下につながります。冬季はもちろん、夏季も冷房で体を冷やしすぎないよう気をつけましょう。

冷たい飲み物のとりすぎも、よくありません。ストレスは小出しに発散してためこまないようにし、夜間は1日の疲れを取りながらゆったり過ごします。

夜更かしをつつしみ、十分な睡眠を確保するのも、腎臓をいたわるよいケアになります。