小麦はパンの材料などに利用される食物で、世界最大の生産量を誇る穀物でもあります。

小麦の玄穀は粒として、しょうゆ、金山寺みそなどの原料として用いますが、多くは小麦粉に加工されます。

小麦粉に水を加えて練ると、ガムのような弾性と粘性(伸展性)を持つグルテンが形成されます。小麦粉は、このグルテンの量や特性によって、大きく次のように分けられます。

【強力粉】
粒度が粗い粉で、グルテンが多く、強い弾性と粘性がある。おもにバン用。

【中力粉】
弾性より粘性のほうが強い粉で、「普通粉」とも呼ばれる。うどん、そうめん、中華めん、即席めんなど、おもにめん用。

【薄力粉】
粒度の最も細かい粉で、グルテンが少なく、弾性、粘性とも弱い。揚げものの衣、ケーキ、菓子などに利用される。

また、胚乳の純度によって、特等粉、1~3等紛、末紛という等級があります。

小麦に含まれる栄養成分

小麦粉の主成分は、糖質とたんぱく質です。精白米より含有量の多い成分としては、カルシウム、ビタミンB1・ビタミンB2などがあげられます。

たんぱく質も含有量は精白米より多いのですが、必須アミノ酸のリジンやトリプトファンが少なく、その栄養価は米のたんぱく質などと比べてかなり劣ります。

パンなど小麦製品を主食にする場合は、肉、卵、魚といったたんぱく質食品を添える必要があるでしよう。

小麦粉から作られた製品のパン、めんなども、基本的な栄養成分は、原料となる小麦粉とほぼ同じです。

ただし、うどん、そうめんなどは、ゆでの調理で、ビタミンB1・ビタミンB2などは30~50%、カリウムは60%程度流出します。

特有の風味、歯ごたえ、色を出すためにかん水(炭酸カリウムなどを配合したアルカリ水溶液)を加える中華めんは、かん水のアルカリ性でビタミンB1・ビタミンB2が不安定になって酸化分解してしまい、小麦粉中の半分以上が破壊される場合があります。パン生地を膨らませるために重曹を用いたパンも同様です。

なお、小麦粉になるのは小麦の主に胚乳部分で、製粉の工程で胚芽やふすま(外皮部分)は取り除かれていますが、この分離された部分にはビタミンB群、ビタミンE、ミネラル、食物繊維などが多く含まれています。

より大きな健康効果を期待するなら、小麦胚芽やふすまを除かずに粒全体をひき込んだ全粒粉(グラハムウィート、ホールウィート)、あるいは全粒粉を使った小麦製品を利用するのがよいかもしれません。

胚芽については、加熱処理を行い、酵素の活性の抑制と乾燥をはかったものが、小麦胚芽として単独でも薬局や健康食品売り場で入手できます。

てんぷらの衣やケーキの生地に混ぜ込んだり、ごはんを炊くときに少し加えたりするとよいでしょう。