• 食事の欧米化によって増加
  • 予防には脂肪を減らし、食物繊維を増やす

食事との関係が深いS状結腸ガンが増加

大腸ガンは近年、急速に増加しており、女性のガンの部位別死亡率の第1位となっています。男性では第4位ですが、数年で第3位の肝臓ガンをぬき、さらに増えるだろうとみられています。

大腸は結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に分かれ、日本では最近、S状結腸ガンが増加しています。

大腸ガンは胃ガンと同様に内腔の粘膜層に生じ、粘膜下層までであれば早期ガン、それより奥に広がると進行ガンとなります。

大腸ガンはどの部位に発生しても、早期には自覚症状はほとんどありません。進行にともない、便に血が混じったり、便秘と下痢を繰り返したり、腹痛が起こったりして発見されることが多いです。

早期発見のためには、便への微量の出血の有無をみる「便潜血反応検査」が役立ちます。

S状結腸ガンが増えている原因としては、食事の欧米化との関係が指摘されています。

欧米型の高脂肪二島たんばくの食事をとると、それを消化吸収するために胆汁酸(肝臓で作られる消化液、胆汁に含まれる成分のひとつ)がたくさん分泌されますが、その代謝物質の一部が発ガンを促進すると考えられています。

また、食物繊維の摂取量が少なめの欧米型の食事では便秘になりやすく、摂取してしまった
発ガン物質(肉や魚などの焼け焦げ、食品中の添加物や汚染物質、排気ガス、粉塵など)が大腸内に長くとどまり、発ガンが促されます。

また、大腸ポリープ(大腸の内腔にいぼ状のでき物ができる病気)や潰瘍性大腸炎になると、大腸ガンを発症しやすくなります。

そのため、大腸ポリープや潰瘍性大腸炎の治療では、ガン予防のためのケアも必要となります。

主菜は魚介を中心にして野菜もたっぷりとろう

S状結腸ガンをはじめとする大腸ガンを予防するには、脂身の多い肉などの動物性脂肪を減らし、食物繊維を十分にとります。

加えて、発ガン性の強い、肉や魚などのたんぱく質の焼け焦げは食べないようにし、食品添加物や防腐剤が入った食品をできるだけ減らしていきます。

体内に入った発ガン物質を早めに排出するため、ポリフェノールも意識してとりましょう。

ポリフェノールが多い食品は、緑茶、大豆・大豆製品、しょうが、ココア、ベリー類のフルーツなどです。

また、近年の調査研究で、青背負などに多い良質の脂肪酸であるDHA、EPAに、大腸ガンの発症を抑制する効果があることがわかっています。

毎日の主菜で、脂身の多い肉をできるだけ避け、青背魚などの魚介と赤身の肉を2:1くらいの割合で交互に替えると、病気をもたらす動物性脂肪を減らせ、病気を防ぐ良質の脂肪酸とたんぱく質を増やせます。

食物繊維は、病気予防のために1日に成人男性では25gほど、女性では20gほどをとることが推奨されています。

しかし、日本人の近年の食物繊維の摂取量は、この半分強にとどまっています。食物繊維は野菜(とくに根菜)、きのこ、海藻に多く、これらを1食につき、生であれば両手にいっぱい、加熱していれば片手にいっぱいとると、推奨量を達成しやすくなります。

食物繊維を十分とることは、糖尿病、脂質異骨症、高血圧などの予防・改善にもつながります。

便秘の解消には、食物繊維を十分とるのに加え、水分を補給する、毎日同じ時間帯にトイレに行って排便リズムをととのえる、なども効果的です。