• 日本人の死因トップの怖いガンは食事の見直しで予防できる!

食生活とたばこがガン発症に深く関わる

ガンは1981年以降、日本人の死因のトップであり続け、近年は死亡総数の約30%を占めています。

〝3~4人にひとりがガンで亡くなる″時代といわれ、年齢別にみると、40歳以上の人の発症が多く、高齢になるにつれ、発症率は増加していきます。

部位別の死亡率では、かつて多かった胃ガンが減少傾向にあり、肺ガン、大腸ガン、前立腺ガン、乳ガンなどが増えてきています。

この推移は生活習慣の変化によると考えられており、胃ガンの減少については、食生活の改善などの予防、検診の普及、医療技術の進歩などの影響が指摘されています。

一方、大腸ガン、肺ガン、肝臓ガンなどの増加は、食生活の欧米化による高脂肪・高カロリーの食事、野菜の摂取不足、たばこ消費量の増加などとの関係が指摘されています。

ガンは命に関わる怖い病気ですが、このように、生活習慣との関係が深いことから、危険因子を減らしていくことで予防が可能です。長年の研究で、ガンを引き起こす原因の60%以上が、食生活(35%ほど)とたばこ(30%ほど) であることがわかっています。

ほかの原因はウイルス、放射線、紫外線、化学物質などです。

なお、よく「ガンの家系」などといわれますが、親から子に受け継がれる遺伝子には、ガン発症に関わる要因はごくまれです(乳ガン、腎臓のガンであるウィルムス腫瘍など、一部のガンを除く)。

ガンになる遺伝子が親から子に伝わるのではなく、あくまでも、ガンになりやすい環境要因が受け継がれています。

そのため、食事を中心としてガンになりにくい生活を身につけることが、ガンを遠ざける最良
の予防法となります。

ガンは遺伝子の突然変異から長い歳月をかけて発症する

ガンは体を構成する一部の細胞にある遺伝子が突然変異を起こし、それが増殖を繰り返して悪性腫瘍になり、周囲の組織を破壊していきます。

人の体のなかには、ガン遺伝子とガン抑制遺伝子という発ガンに関する遺伝子が存在しています。

これらの遺伝子は、前ページで述べたように、親から子に遺伝するもの(生殖細胞遺伝子)ではなく、その人自身が持っている遺伝子 (体細胞遺伝子)です。

ガン遺伝子は、もともとは細胞の増殖を正常にコントロールする役割を持っていますが、ガンの危険因子の刺激を受けることで遺伝子が傷つき、異常な細胞を増殖しはじめます。

このとき、ガン抑制遺伝子がスムーズに機能していると、異常な細胞を攻撃し、ガン化を抑刺します。

しかし、この遺伝子の働きが悪いと、細胞のガン化に歯止めがきかず、ガン細胞が増殖を続け、ガンを発症することになります。

正常な細胞がガン化するには、いくつかの段階があり、長い時間がかかります。第1段階は「イニシエーション」と呼ばれ、正常な細胞の中にガンの危険因子が入り込み、DNA(遺伝情報を担う物質)が傷つき、遺伝子の突然変異が起こります。

第2段階は「プロモーション」と呼ばれ、突然変異した遺伝子が異常な細胞を増殖させていきます。

第3段階は「プログレッション」と呼ばれ、異常細胞が急速に増殖し、組織をおかしていきます。

この段階は臨床的に、早期ガン、進行ガン、末期ガンに分かれます。

ガンは長い歳月をかけて進んでいき、通常、イニシエーションからプログレッションまで10~30年かかります。

検査で早期発見できるのは、プロモーションからプログレッションに移行するあたり。

静かに体内で進行する病気であることから、早期発見の前に、まず、ガンを予防することが大切です。

【発ガンのメカニズム】

●正常な細胞

発ガン物質が正常細胞に攻撃をしかけ、遺伝子の突然変異が起こる

●イニシエーション

●プロモーション
突然変異を起こした細胞が増殖を始める。
増殖が続き、ガン細胞となる

発ガンを促す食品に注意し、過食も控えよう

国内外のさまざまな調査研究から、ガンの原因の第1位は食生活であることが明らかになっており、全原因中の約35%を占めます。

第2位はたばこで、約30%の関与率です。このため、ガンになりやすい食生活を改善し、ガン抑制の効果がある内容に変えることで、ガンをかなりのところまで予防できます。

たばこについては、禁煙がいちばんです。

食生活では、発ガンの危険がある食品をできるだけ食べないようにし、ガンを抑制する食品を毎日の食卓で積極的にとることが大事です。

発ガンの危険がある食品や成分は、塩分、カビ、肉や魚などたんぱく質の焼け焦げ、わらびなどの山菜に含まれるアク成分、食品添加物、アルコール、高脂肪の食品や料理などです。

加えて、過食もガンの発症率を高めると考えられています。

そのうち、カビは発酵食品(チーズ、納豆など)を除き、食べないようにします。

また、発酵食品であっても消費期限を過ぎたものは、有害なカビが混ざっている場合があるので、食べるのをやめます。

たんぱく質(肉、魚介、卵など)の強い焼け焦げは食べるのをやめ、調理中に軽い焦げ目がついた場合は、相殺する効果のある大根おろしや柑橘類の薬味を添えるようにしましょう。

山菜は調理前に水にさらし、調理中にアクを取って、発ガン物質を除くようにしましょう。

そのほかの、塩分、食品添加物、アルコール、脂肪は、現代の食生活では量をとりがちになってしまうものです。

意識して摂取量をひかえていきましょう。食品添加物については、食品表示を確認して、無添加・無農薬のものを選ぶと、かなり減らせます。

加えて、過食をひかえ、標準体重を維持することも、ガンをはじめとする生活習慣病を遠ざけます。

ガンを抑制するパワー食品を毎日の食卓に

ガンを抑制するためには、体内の活性酸素を減らす食品を十分にとります。

活性酸素は、人が生きていくうえで欠かせないエネルギー産生のほか、たばこ、ストレス、排気ガス、紫外線、食品添加物、ダイオキシンなどから発生し、ガンや動脈硬化、老化を進める元凶となります。

活性酸素を減らしたり、無害化したりする働きを抗酸化作用といい、この働きが強い食品をとると、ガンや動脈硬化を予防でき、アンチエイジングにも効果があります。

抗酸化作用を持つ成分は、カロテノイド、ポリフェノール、ビタミンC・Eなどです。食品としては、緑黄色野菜、フルーツ、大豆、しょうが、緑茶などに多いです。

発ガン予防に特化した食品としては、アメリカの国立ガン研究所が「デザイナーフーズ・ピラミッド」を発表しています。

頂点には、にんにく、キャベツ、しょうが、大豆、にんじん、セロリが位置しており、これらに含まれるポリフェノール、イオウ化合物などの成分にガン予防の効果が期待できます。

また、日本でよく食べられる食品としては、温州みかんに含まれるクリプトキサンチン(カ
ロテノイドの一種)にも、発ガン予防効果が高いことが確認されています。

食事以外では、免疫力を高め、病気になりにくい生活術を身につけることが、生涯にわたるガン予防につながります